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海外のSDGsの取り組みー台湾編②「海廢圖鑑」

海外のSDGsの取り組みー台湾編②「海廢圖鑑」

本記事では、「台湾/RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)」のSDGs(目標14 海の豊かさを守ろう)に対する取り組みを取り上げたい。

(画像引用:ユニセフ 14.海の豊かさを守ろう | SDGsクラブ

「海洋ごみ」
海洋ごみとは、海中を漂ってるゴミや、海岸に漂着したごみのことを指す。日常的にこの単語を耳にする人はどれほどいるであろうか。聞いたことがない人も多いかもしれない。

「レジ袋有料化」

この単語は耳にしたことがある人は多いのではないだろうか。なぜなら2020年7月1日より、日本でもレジ袋が有料化されたからである。

「海洋ごみ」と「レジ袋有料化」は全く関係ない問題ではない。

近年、海洋ごみ問題や海洋プラスチックごみを巡る地球規模の環境問題への対応が世界的課題となっている。「レジ袋有料化」も、持続可能な循環型社会の構築に向け、消費者のライフスタイル変革を促すための、国民生活の身近なきっかけとして実施された。

海洋ごみってどんなごみなのか?

環境省がまとめた「海洋ごみをめぐる最近の動向」を見ると、海洋ごみの種類別の割合は、、実はプラスチックゴミが突出して多い。上述したレジ袋もプラスチックに分類される。環境省のまとめた資料では海洋ごみの種類を知ることができるが、実際にどのようなごみが発生しているのかはイメージしづらいのではないだろうか。

そんな中、台湾では2018年、海洋ゴミに関する台湾初の図解百科事典「海廢圖鑑」がリリースされた。

海洋ごみを視覚的に理解できるWebサイト「海廢圖鑑」

台湾の環境保護団体「RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)」が多くの人に環境問題を知ってもらうために発案し、簡訊設計公司(Simple info)が制作したWebサイトだ。

このwebサイトは、2021年8月時点で101種類のごみを図鑑化しており、2013年からビーチでの清掃活動を行っているRE-THINKが、その活動で拾ったごみを360°回転で見ることができる。

例えば「被咬過的山葵醬(海洋生物に噛まれたチューブ型のねりわさび)」を例に挙げると、まず上下にスクロールすることで角度を変えて見ることができる。

下にスクロールすると、ごみの名称とその解説が記載されている。

ねりわさびの解説文は、「海洋ごみには菱形の欠けたところがあり、折ったら三角形になる、これは海洋生物が噛んだ痕である。大きさや形状の違う欠けた痕は、鮫や海亀、海鳥、魚類等さまざまな種類の生物が噛んだことを表している。動物は人間が作ったプラスチックを食べることはみんな知っているけど、わさびを食べるのは辛くないのだろうか?」と書いてあり、最後の一文のようなユーモアある解説も書かれていて、楽しんで読むことができる。

さらに下にスクロールすると、HP、種類、材質、拾った場所、見かける度合い等の情報が記載されている。「HP」があることで、さらにゲーム感覚でごみの情報を知ることができる(HPの基準はごみの頑丈さや、海上での分解されやすいかなどが考えられる)。

ちなみにこのねりわさびは沖縄県那覇市波上宮のそばのビーチで拾われたようだ。ちなみに、このWebサイトを発案するにあたって、スマホゲーム「ポケモンGO」の影響もあったようだ、ポケモンを捕まえるように、ビーチでの清掃活動に参加しごみを収集するのも面白いかもしれない。

調査者所感

「海洋ごみ」を直接見て手に取ったことがある人は多くないかもしれない。「海廢圖鑑」では、海洋ごみを視覚的且つ身近に見ることができるため、海洋ごみに関する問題に対して興味を抱きやすいのではないかと感じた。
RE-THINKの取り組みは『海外のSDGsの取り組みー台湾編①「回収大百科」』でも取り上げているので、こちらもぜひご覧ください。

余談:台湾で熱い商品を購入すると

ちなみに、私が台湾の方と交流していた時に驚いたことがある。「熱い商品を購入した際、レジ袋を購入するのか?」という話だ。

コンビニでお弁当など熱い商品を購入する際、筆者は熱くて手で持てないことを理由にレジ袋を購入した経験がある。しかし、これは一体…?

この青いものの正体は、不織布素材のネットだ。台湾のコンビニでは、熱い商品を購入した時などに、もらうことができる。まるでバスケットボールやサッカーボールを入れるように商品を入れることで、レジ袋がなくても熱い商品を持ち運ぶことができる。

【団体情報】
団体名:RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)
設立年:2013年
活動内容:多くの人に環境問題について知ってもらうためにビーチクリーン等の環境保護活動、環境保護活動の情報の発信、教育現場でのワークショップの開催、「海廢圖鑑」等webサイトの発案および本の出版をしている。
HP:https://rethinktw.org
Instagram:https://www.instagram.com/rethink.tw/
Facebook:https://www.facebook.com/rethink.tw/
海廢圖鑑:https://oceantrash.rethinktw.org/zh-TW

この記事を書いた人

おがわかずま

おがわかずま

web制作したり中国語勉強してた人