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海外のSDGsの取り組みー台湾編①「回収大百科」

海外のSDGsの取り組みー台湾編①「回収大百科」

本記事では、「台湾/RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)」のSDGs(目標12 つくる責任 つかう責任)に対する取り組みを取り上げたい。

(画像引用:ユニセフ 12.つくる責任つかう責任 | SDGsクラブ

複雑化されたごみの分別

 リサイクルを意識しごみを分別して捨てることを面倒くさいと思ったことはないだろうか?それは海を越えた台湾でも同じだ。台湾では日本以上にごみの分別が複雑化している。例えば、生ごみでも豚の餌になるごみと植物の肥料になるごみで分けられていたり、レジ袋でも油などが付着した汚れのあるレジ袋は回収できない。

 そんな中、2021年、複雑化されたごみの処理方法をわかりやすく伝えるwebサイト「回収大百科」がリリースされた。

101種類のごみを図鑑化し、動的な分解図で分別方法が理解しやすいwebサイト

回収大百科

 「回収大百科」は、台湾の環境保護団体「RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)」が多くの人にリサイクルの知識とルールを知ってもらうために発案し、Re-labが制作したwebサイトである。このwebサイトは101種類のごみを図鑑化しており、それぞれのごみを選択することで動的な分解図と解体のプロセスを通じてごみの分別方法を確認することができる。

  例えば「熱咖啡杯(ホットコーヒーのカップ)」を例に挙げると、

 webサイト上で動的に分解され、「紙」、「塑膠(プラスチック)」など各部品ごとの材質が表記されてある。

 その下部には各部品ごとに「紙類」、「塑膠容器類(プラスチック容器類)」等処理すべき資源ごみの分類が表記されている。

 ページ最下部には各ごみごとに「如果你不好好丟垃圾(もしあなたがごみを良くない捨て方をすると)」というユーモア溢れる「呪い」が書かれている。ホットコーヒーの場合は「熱咖啡就會打翻在包包裡(ホットコーヒーは鞄の中でひっくり返って溢れるかもしれない)」。

 また、ヘッダーの「丟垃圾大考驗(ごみを捨てる試験)」のリンクはごみの分別の理解度を測るゲームになっており、遊びながら分別の知識を深めることもできる。

 各ごみ(上画像は半透明のビニール袋)のイラストが表示され、リサイクルするなら左、一般ごみとして捨てるなら右にドラッグする。30秒の間で何問正解できるか測る。

調査者所感

 初めて「回収大百科」を閲覧したとき、ごみがまるで生きているように感じされるたくさんのイラストが非常に可愛く、このwebサイトに興味を引き込まれた。また、101種類のごみの分別方法は非常にわかりやすく、特にこの動的な分解図は一人のユーザとしても、また一人のwebサイト制作に携わる人間としても感動した。
 RE-THINKの取り組みは『海外のSDGsの取り組みー台湾編②「海廢圖鑑」』でも取り上げているので、こちらもぜひご覧ください。

余談:日本と台湾のごみ出しの違い

 日本では毎週所定の場所にごみを出し、ごみ収集車がそれを回収している。台湾では、ごみ収集車が音楽を流しながら走行し、それを聞いた住民がごみを収集車に捨てる。一般ごみや生ごみは毎日、プラスチックや紙等の資源ごみは週に2回ほど収集されている。昔は日本と同じ回収方法だったが、台湾の方が気温も湿度も高いため悪臭問題が発生したことからこのような回収方法になったと考えられている。

【団体情報】
団体名:RE-THINK(社団法人台湾重新思考環境教育協会)
設立年:2013年
活動内容:多くの人に環境問題について知ってもらうためにビーチクリーン等の環境保護活動、環境保護活動の情報の発信、教育現場でのワークショップの開催、「回収大百科」等webサイトの発案および本の出版をしている。
HP:https://rethinktw.org
Instagram:https://www.instagram.com/rethink.tw/
Facebook:https://www.facebook.com/rethink.tw/
回収大百科:https://recycle.rethinktw.org

この記事を書いた人

おがわかずま

おがわかずま

web制作したり中国語勉強してた人