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「Well-being」を届けて、世界で最も人を幸せにする会社へ【ルビーイン株式会社代表 千手禅二郎さん】

「Well-being」を届けて、世界で最も人を幸せにする会社へ【ルビーイン株式会社代表 千手禅二郎さん】

「世界で最も人を幸せにする会社にしたいです」。ルビーインは新卒逆求人イベント事業をはじめとし、「自分らしく生きるきっかけの提供」をミッションにするスタートアップ企業です。代表の千手さんが思う、「幸せ」と「自分らしさ」とは。

ルビーイン代表・千手さん

事業を通して提供している、「自分らしく生きるきっかけ」

ー本日は宜しくお願い致します!まず、ルビーインの事業内容について教えてください。

まず、私たちの会社のミッションは「自分らしく生きるきっかけの提供」です。もともと、「人を幸せにする」事業をやりたいと思っていて、僕はそれが自己肯定感や自分らしさによるものだと考えています。

今は「自分らしさ」という観点から、逆求人型の新卒採用のイベント事業(イベント名:ウェルハンティング)を行っています。イベントは、企業の人事担当がプロフィールや自己紹介から気になる学生を選んでマッチングし、学生の5分くらいのプレゼンをベースに1対1で話すことができる、というものです。就職活動になると、どうしても自分の素を出せなかったり、自分を偽ってしまう学生が多くいると思います。そういった学生に対し、「逆求人」というやり方を通して、学生が本音で話せる場であったり、自分の人生について向き合う機会を提供することで、まず社会人のスタートであるファーストキャリアをより自分らしいものに変えていけるのではないか。また、その結果として、その先のキャリアも幸せに歩めるのではないかと思っています。

ーありがとうございます。「自分の人生について向き合う機会」というのは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

色々なことを行っているのですが、2つだけ紹介します。

1つは、イベント参加までの面談です。学生一人ひとりにメンターが付き、内定を取るためではなく、深いところまで自己理解をし自分らしい人生を歩むための面談を行っています。よく「こんなこと初めて人に話しました」「ここは考えたことなかったですね」と言ってもらえます。

もう1つは、イベント中に行っている「幸せワークショップ」や「終わりを思い描く」といったワークショップです。幸せワークショップは、「幸せ」について書籍を参考に学術的なインプットをした後に、4〜5人でグループを作り、グループで働く幸せについて会話してもらい、その後グループごとにどのようなアウトプットが出たのかを共有してもらう…といった内容です。「幸せ」と「仕事」を繋いで考えてみたり、自分の身近にはこういう人がいるよ、と「幸せ」のモデルを出してみたり。学生たちが仕事を通してどんな幸せを目指したいかを考えるきっかけになっているのではないかなと思います。

また「終わりを思い描く」は、「死」をキーワードにしたワークショップです。自分が死ぬときにどう思われたいか、どうありたいかを考えながら人生の終わりを思い描き、そのゴールに向かって「自分が何をすべきか」を明確にするコンテンツです。

イベントでは「もっと長い時間コンテンツに参加したかった」という声があったりと、学生からも良い反応を頂いています。アンケートなどでは、これらのワークショップを通して自分の人生観や大事にしたいことについて学んだという感想もいただいており、良い影響を与えられている事業になっているのではないかと思います。

ワークショップの様子

始まりは「人の夢を叶えたい」、様々なキャリアから起業まで

ー 学生さんからも好評なんですね!「人生」や「キャリア」、というキーワードが出てきましたが、実際に千手さんはどのような経緯で起業したのでしょうか?

純粋なキャリアだけでいうと、新卒で不動産屋に勤務した後、パチンコ屋さんで不動産の仕事をして、人材系の仕事を経験したのちに起業、という経緯です。

大学生で就職を考える際に軸として持っていたのが、「人の夢を叶えること」「やりたいことが見つかったときにそれを実現できるようなスキルを得られること」でした。それが何かと考えたら、まず営業力が必要だと思い、あまり有名ではない不動産屋さんに就職しました。家を売るのって難しいと思うんですけど、有名な不動産屋さんだと普通に売れちゃうなと思ったんです笑。そういう環境であれば営業力が身に付くと思って、3年で辞めるつもりで就職しました。

不動産を選んだ理由はもう1つあります。BtoBのビジネスは、ロジックでなんとかなる部分があると当時は思ってました。それに対して、家はBtoCですし、大きな買い物なので、家族のさまざまな感情が複雑に絡み合うものですよね。そういう面でもロジカルさだけではない部分を養うことができると思い、ファーストキャリアを選びました。

その後、もっと色々なことができるのではないかと思ってパチンコ屋さんの不動産の仕事に転職したのですが、働いているうちに「やっぱり人の夢を叶えたい」と改めて思うようになりました。

それを実現するために、次は人材系の会社に行ったんです。人材系の仕事は、人の人生観に真摯に向き合う仕事だったのですごく好きだったんですが、ある日「夢を持たなくても幸せな人がいる」ということを知って。

「夢ではないなら、何が人を幸せにしているんだろう?」と考えてみたら、それって自己肯定感や自分で自分のことを愛せる状態なんじゃないかなって思うようになったんです。そして改めてルビーインという会社を起こして、「世界で最も人を幸せにしている会社」というビジョンを掲げました。

大学卒業時の千手さん

ー不動産から人材に転向されたんですね!ファーストキャリアの考え方もとても面白いですね。様々なキャリアを経て、起業に繋がったんですね。「自己肯定感が幸せにつながる」と考えるようになったのは、何かきっかけがあったんですか?

母親の存在はとても大きいですね。僕は自分のことを幸せだって胸を張って言えるんですけど、それは自己肯定感が高いからだと思っています。また、その自己肯定感は、僕は母親に愛されて育ったという自覚によって身についたものだと考えています。

例えば、母親はすごく仕事が好きな人だったんですが、僕に「仕事を初めてもいい?」って聞いてくれたり、交換ノートをしてコミュニケーションをとったりと、とにかく僕ら兄弟のことを尊重したり、受け入れようとしてくれる人でした。

人が幸せを実感できないときは、多くの場合「自己肯定感」が課題だと思っています。逆に、自分に自信を持てていたり、自分のことが好きだったら、幸せを感じられるのではないかと考えています。

そして、その為に必要なのは自分らしさを承認してもらうことだと思うんです。僕は母にそうやってもらっていたおかげで、自分らしく成長することが出来、友人にも良い意味で「千手は千手だよね!」と言ってもらえたりと、自分自身を受け入れてもらえたため、「自分は自分でいいんだ」と心の底から思えるようになりました。

ー なるほど。「自分らしさ」といえば、今は新卒逆求人イベント事業を行っていますが、今後取り組むとしたらどのような事業に挑戦してみたいですか?

うーん、そうですね。一貫して、何か「人を幸せにする」事業をやりたいというのは絶対的な軸としてあります。そのうえで、現在挑戦したいと思っている事業は、産婦人科と、葬式と、習い事の事業です。

ー 産婦人科と、葬式と、習い事の事業ですか…?今の事業とは異なる領域にも見えますが、その理由はどういったものなのでしょうか?

1つ目の産婦人科の事業は、イベントに参加してくれた学生からヒントをもらったものなのですが、産婦人科で妊婦さんやそのご主人にセミナーを実施したりすることで、子育てを変えていくというものです。産婦人科って人が生まれる場所なので、日本の全ての産婦人科を対象にすることが出来れば、生まれてくる子供全員に価値提供ができるなと思って。それってすごいことですよね。

2つ目の葬式の事業でやりたいことは「葬式のオープン化」です。

「自分らしさ」を出しきれない原因として、日本人の場合「人の目を気にしすぎる」ということがあると思うんです。それって死生観が形成されてないからなんじゃないかなと思っていて。葬式をオープン化する事業があれば、多くの人が死に触れることで自分の人生について考えることができ、自分の人生を自分を主語にして考えるきっかけになるのではないかなと思っています。

3つ目は、親が子供の習い事を探すときの相談所のようなこともやってみたいです。習い事を探すことが目的にはなると思うんですが、子供の意思を尊重して習い事を選んだり、習い事をさせたうえでどう接するかを相談できる事業があると面白いと思います。子供が頑張っていることに対する向き合い方や付き合い方、声の掛け方で子供の自己肯定感はかなり変わると思うからです。

「世界で最も幸せな会社」を目指して、ルビーインのこれから

ー ありがとうございます。どれも「幸せ」や「自己肯定感」に繋がっていて、素敵な事業案ですね。では「ルビーイン」として、最終的にどのような会社を目指していきたいですか?

最終的に行き着きたいのは、やはり「世界で最も人を幸せにする会社」です。

世の中には、瞬間的な喜び「Happy」を提供する会社ってたくさんあると思うんです。でもルビーインは「Happy」より、もっと長期的な幸福「Well-being」を提供する会社でありたいと考えています。瞬間的なものによる一時の喜びではなく、自分の中から湧き上がる何かで幸せになることを目指しています。

街の人に「世界で最も人を幸せにしている会社は?」と聞いたら、「ルビーインですね」と返してくれるような、世の中からそんな声が聞こえてくる会社にしたいです。

あとは、ノーベル平和賞をとりたい!それがとれたら、世界一人を幸福にしている会社だと言えると思いませんか?

ルビーインの皆さん

ーありがとうございました!

【会社情報】
企業名:ルビーイン株式会社
設立:2020年7月1日
事業内容:人を幸せにする事業
ひとこと:「人の幸せ」というきれいごとを本気で追っている会社です。
HP:https://rubyin.co.jp/
ウェルハンティング:https://shukatsu.rubyin.co.jp/
オウンドメディア(らしさのきっかけ):https://rashisa.rubyin.co.jp/

■編集後記

こんにちは。今回取材を担当させていただいたmiyunagaiです。

今回の千手さんへの取材を通して一番心に残ったのは、「Happyを届ける会社はたくさんあるけど、そうじゃなくて、Well-beingを届けたい」という一言です。私自身、凄くはっとさせられる言葉でした。

自分自身が就職を目前に控えた年齢であるということもあり、自分のやりたいことを考えていく中で、
「パッとなくなってしまうような消費的なものではなく、もっと何かが根本的に変わることに携わりたい」という想いがありました。私の中でこの想いをうまく言語化することができずにモヤモヤしていたのですが、千手さんが仰った「Happy」「Well-being」という言葉が、その答えであったと気づくことができました。

また、「Happy」「Well-being」を明確に言語化していたり、「世界で最も人を幸せにする」と掲げているように、確立したフィロソフィーがあるという点も他の人材系の会社とは全然違った魅力を感じました。千手さんは自分がどんな生き方をしたいか、何が大切なのかを明確に持っていて、それがあるからこそルビーインの崇高なビジョンが成り立ち、多くの学生に影響を与えているのだと思います。是非、ご覧ください!

この記事を書いた人

miyunagai

ライター、インタビュアー。日々耽るのは享楽、芸術は勉強中。希望ある未来と懐かしくなる過去をつくるべく、ゆるりと南船北馬。現在大学四年生。