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「エシカル×音楽」で広げる、心豊かな暮らしと生き方【エシカルシンガー 神野伶菜さん】

「エシカル×音楽」で広げる、心豊かな暮らしと生き方【エシカルシンガー 神野伶菜さん】

今回取材させて頂いたのは、エシカルシンガーの神野伶菜さん。新卒で入社した大手不動産ディベロッパーを退職後、フリーランスとして「エシカル×音楽」の道を選んだ伶菜さん。伶菜さんが考える心豊かな暮らしや、自分らしい生き方について伺いました。

エシカルシンガーの神野伶菜さん

強く影響を受けた、「環境問題」と「ヴィーガン」

ー本日は宜しくお願い致します!まず、「エシカルシンガー」としてどのようなことをやられているか教えてください。

 私は今24歳で、社会人2年目の年齢になります。大学卒業後は東京で不動産デベロッパーというマンション開発の仕事をしていました。その仕事を2021年の3月末に退職し、4月からはフリーランスとして、「エシカル」や「歌」を軸とした、暮らしと音楽にまつわる活動をしています!

 具体的には、YouTubeチャンネルに歌を投稿したり、エシカルで自分らしい暮らしを発信するインフルエンサーとしての活動を主に行っています。最近は有り難いことに、歌に加え、暮らしや生き方をライブ配信でお話しする機会も増えました。

ーありがとうございます!「エシカル」について発信されている伶菜さんですが、もともと環境問題に興味をもったきっかけはありましたか?

 そもそも自分が環境問題に興味を持ったのは小学生のときです。当時は環境問題の中でも地球温暖化が話題で、よくテレビで取り上げられていました。それを見て、「もし地球温暖化が今後進んでいったら、自分が大人になった時に地球はどうなってしまうのだろう?」という不安を感じました。それをきっかけに、自分がアクションを起こしたり、地球のために何かしないといけないと思うようになりました。

 その時から、学校の授業やレポートで何か自由にテーマを設定することができるものがあれば、ゴミ問題について調べたり、環境にまつわることをするようになっていきましたし、小学生のときから「環境問題を解決できる人になりたい」という気持ちはずっと持っていました。

ー子供のときから関心が高かったのですね!では、インフルエンサーになろうと思ったきっかけはありましたか?

 2019年、就職活動がちょうど終わったタイミングで、たまたま未来リナさんという方のヴィーガンについての発信を見かけました。未来リナさんが発信していたのはすごく美味しそうなカラフルな食べ物だったんですが、それだけでなく、この食べ物がヴィーガンで、環境に負荷をかけない食生活を選択している…といった話もしていて、『自分の生活の選択を少し変えるだけで、環境に負荷をかけないことができる』ということに衝撃を受けました。

 それをきっかけに、『ヴィーガンという文化をもっと多くの人に知ってほしい』という想いが生まれました。2018年にミスコンテストに出場した際にSNSの発信の仕方を学んでいたので、それを応用して環境に関する発信をしよう!と決めました。

 インフルエンサーとしての活動は会社で働きながらも継続できることだったので続けていました。今は退職して、フリーランスのエシカルインフルエンサーとして活動しています。

活動をしている様子(左)

より自分らしい生き方を求めて、フリーランスの道へ

ー会社で働きながらもインフルエンサーの活動はされていたとのことですが、退職してフリーランスとして活動しようと思ったのはどうしてですか?

 会社で働く自分に違和感を感じたことと、「歌をやりたい!」という気持ちが強くなったからです。

 正直、もともと自分が『企業の一員として働く』というイメージは就職活動の時点からついていませんでした。自分の心の中では、「やっぱり私は歌がやりたい!」という思いがありましたし、私は自分でアクション起こしたり、自分で切り拓いたりするのが好きな性格なんです。なので、会社から指示を受けて仕事をするのではなく、自ら道を切り開いて仕事をする方がやりがいを感じられ、自分の性格に合っているのではないかと思っていました。

 そう思いながらも、周りは就職活動一色なんですよね。大学を卒業して就職しない、みたいな選択肢は全然当たり前ではありませんでした。自分も当たり前のレールから外れたような道には行かず、学校に言われるまま説明会に行き、昔から家が好きだったことと、自分の性格に合っていると思ったことが決め手で不動産デベロッパーの仕事を選びました。

 そして、いざ入社して働いていくと、「会社で働く」ということに色々な違和感を覚えました。

例えば、大企業だったので、自分の考えでどんどん物事を進めていくことができないもどかしさを強く感じていましたね。私が自分らしくいられるために必要なのが『自分で意見を出して場を作っていく』ということなんです。けれど大企業の社会人1年目は、なかなかそれをするのが難しかったですね。自分らしく働けている実感がなく、型にはまらず自分らしく生きていきたいと今まで以上に思うようになりました。

それから、不動産の仕事をやっていく中で、「私じゃなくてもできる」ものだと感じました。誰でもできる仕事じゃなくて、自分にしかできない仕事をしたいと思うようになっていきました。

 また、「環境問題に関する仕事がしたい、今この瞬間にでも考えていたい問題だから!」と強く思っていたことも決め手でした。

 「新卒は3年は会社にいた方が良い」みたいな声もある中で、今すぐにでも環境問題に関する仕事をしたかったので、あと3年待つという選択は違うなと思いました。少しでも早いタイミングで自分が進みたい道に行って、もしだめだったらまた仕事を探せば良いと思い、退職してフリーランスへの転向を決めました。

 「歌をやりたい!」と思ったのは、歌が好き、という気持ちが大きかったのはもちろんですが、『歌が持つ力』に魅力を感じているからです。聴いていて感動する曲は、愛情や思いやりといった想いも与えてくれると思うんです。歌によって人々の心を満たすことができれば、外に目を向けることができて、社会問題に対しても貢献しようという気持ちになれるのではないかな、と思ったんです。それを、ただ自分がやりたいからだけではなく、仕事にすることができたら、『自分にしかできない仕事』になるなと思い、「歌」を選びました。

会社員時代(伶菜さん:中央)

ー伶菜さんの場合は、大手企業から1年でフリーランスに転向しているというキャリアも珍しいですよね。大手企業からフリーランスというキャリアに不安はありませんでしたか?

 金銭面に関しては不安がありましたが、逆にそれ以外はそこまで不安はありませんでした。会社を辞めたら社会的信用度は低くなりますが、そこに対しては同じようにフリーランスとして活躍してる人が何人もいるから大丈夫だろう、と思っていました。

 私の場合、同じようにフリーランスとして活動されてる方とSNSで繋がれたことも、不安をなくす要因の一つでした。
 同世代だと、会社を退職後デザイン系の仕事をしながらヴィーガンを発信している方や、他にも会社を辞めてヴィーガンに関する仕事をしていきたいと仰っている方がいました。その方たちの存在のおかげで、私もフリーランスという道を選ぶことができたのではないかなと思います。

 周りにいる人や環境は変わらないと思うんです。今まで仲良くしてきた人たちが自分の周りにいるわけですが、私の周りには、大学に入って良い会社に就職することが当たり前で、それ以外の人生を歩む人に出会えなかったんです。なので、もしフリーランスで活動する方々と繋がれてなければ、今のような選択はできていなかったのではないかなと思います。

ーなるほど。身近にロールモデルがいることが重要なんですね。 

 本当にそうだと思います。周りの環境や、身近に多様な生き方をしている人がいるかどうかは自分の人生の多様さにつながるし、すごく大事なことだと思います。だからこそ、私もインフルエンサーとしてやり甲斐を感じます。

 金銭面に関してはもちろん不安もありましたが、歌の収入だけではなく、今はヴィーガンクッキーを販売するお店で働いたり、プレス業務も並行して行っています。フリーランスに独立する際、お金をどうするのかについては母からも心配されていました。それまで、それなりに良い会社で働いていたので月々のお金も良かったですし、ボーナスもいただいていました。それがいきなりなくなるとなると心配されますよね笑。 

 けれど、お金が全てではないし、自分が本当に幸せになれないと意味がないと思うんです。

 もちろん、フリーランスになってから収入は落ちてしまいましたが、エシカルな暮らしを意識しているので物を買う機会はすごく減りましたし、一般的な方よりも支出は少ないと思います。

 長い目で見て、一般的な方と同じようにお金を貯められるのかと言われると正直難しいかもしれないですが、そんな先のことを気にしても仕方ないなと思っています。むしろ自分らしいお金の使い方をすることで、ただ単にお金を貯めること以上に、自分の心が満足する生き方ができていると思いますね。

京都・Good Nature Hotelにて

一歩踏み出せた秘訣

ーありがとうございます。伶菜さんのように、若者が自分のやりたいことに真っ直ぐに挑戦できたり、一歩踏み出せるようになるために、必要なことは何だと思いますか?

 自分を信じることと、仲間を見つけることだと思います。

 人生って本当それぞれだと思うんです。生まれてきた環境が特殊だったり、自分の思うような選択が環境が要因となってできないもいるでしょうし、明確な正解がないものですよね。だからこそ、まず「自分なんて…」と思わずに、自分に自信を持ったり、自分の可能性を信じることが大切だと思います。そうすれば、自然と今の自分の殻が破れて、新しい世界が見えてきます。

 新しい世界が見えてくると、今度はそこで仲間が見つかり、そしてその仲間が、新たな挑戦に向けて踏み出す勇気になると思います。実際に私もそうでした。

より世界が「エシカル」に向かうために

ーエシカルな暮らしが世の中に馴染んでいくために重要なことはなんでしょうか?

二つあると思います。一つは『環境に対して良いことをしたいという想いを持つ人が増えること』、もう一つは『誰の手にも届きやすくなること』です。

 まず前提として、「環境に対して良いことをしたい」という想いが絶対に必要だと思います。自分の心の中にそういう気持ちがあるうえで、そこからエシカルな選択をしたいという気持ちにつながり、その気持ちが実際の行動に現れると思います。

 もう一つは、「誰の手にも届きやすくなること」です。忙しい生活をしていると、自分のことで精一杯になってしまって外に目を向けることが難しくなると思うんです。そうすると、社会問題に関心を持つことも難しくなってしまいます。なので、コンビニやスーパーなど人々がよく訪れるような、手に取りやすい環境でエシカルなものを扱ってもらえると、忙しい人にも関心を持ってもらえるのではないかなと思います。

ーありがとうございました!

活動内容:歌のライブ・イベント出演やコラボ, エシカルトーク, イベント主催やモデルなど。
活動紹介:「エシカルな暮らし」と「音楽」を軸に、自分の生きることに対する考えを交えながら、地球環境について多くの人が当事者意識を持てるきっかけを与えるべく活動しています。
HP:http://renajinno.com/

この記事を書いた人

miyunagai

ライター、インタビュアー。日々耽るのは享楽、芸術は勉強中。希望ある未来と懐かしくなる過去をつくるべく、ゆるりと南船北馬。現在大学四年生。