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「いつも、ありがとうございます」の「いつも」

「いつも、ありがとうございます」の「いつも」

朝7時。家から歩いて3分のローソンには、私のお母さんぐらいの年齢の店員が元気に今日も働いている。ここ数ヶ月、コンビニのコーヒーを買うことがすっかり習慣になっている。お母さん店員と私は心の中で呼んでいる。すっかり顔馴染みになっていた。

朝からせっせと働くお母さん店員さんの姿に、今日も元気をもらい、応援していたのであった。
私のお母さん、レジ苦手って言っていたよな。今日もテキパキとしていて、すごいなあ。

そんなことを考えていた矢先。

「あの!この前、チョコを置いてかれませんでした?」
急に、はっきりとした声で話しかけられて、びっくりした。

「チョコ…?」
「ホワイトチョコ…!!この前会計して、置きっぱなしでしたよね?
たぶんお客さんのものじゃないかなーって。」

なんだかその天然エピソードが自分のものであったら嫌だなと、過去の記憶を思い出してみる。二日前、確かに私はチョコをコーヒーと一緒に買った。そして持って帰るのを忘れていた。たぶん。たぶん、だ。絶対に食べた記憶はない。

これじゃ、ただお金をコンビニに落としているだけじゃん!笑

「あーー!!そうだ!!すみません!!ありがとうございます。」

恥ずかしい気持ちで、お礼をした。

にっこりと和らぐ。同時に嬉しくなった自分もいた。

『店員さん…私の顔を覚えてくれていたんだ。』
もしかしたら、私がお母さん店員をみて、母と重ね合わせえるように、一人の客として覚えてくれていたのかもしれない。

店の奥から、私が以前購入したのであろう、チョコを渡された。

「あの…ありがとうございます……。その…いつも!!!」

いつも、お母さん店員さんの働きぶりをみているよ。
いつも元気をもらっているよ。
そんな思いを込めて。少し声が大きくなった「いつも」を加えてしまった。

ちょっと大きな気持ちを加えるフレーズ。「いつも」。

どこかのタイミングで、私は「いつも」をふと小出しにする。
いつもみてますよって。あなたの頑張りに賞状を与えているような気持ちになる。

この記事を書いた人

りっちゃま

りっちゃま

法政大学社会学部社会学科4年生。インターンを複数数で経験し、フリーでもライターとして活動をしている。